2008年11月24日月曜日

京都 竜安寺
















竜安寺。

15年くらい前、一人で京都旅行をしたとき訪れたことがある。
まだ庭園に興味を持つ以前で、観光の流れで偶然立ち寄った。
夏から秋へ移る、ちょうど気候の良い頃で、そのわりに観光客が少なかった。

竜安寺の庭園を見たとき、空間の取り方の素晴らしさに感動した。
白砂に石が点在しているだけの簡素な作りながら、物足りなさは微塵もなく満たされていた。

方丈には私一人だった。
柱にもたれて座り、心地良い風を受けながら庭を眺めた。
そして、そのまま眠ってしまった。
気付くと1時間もたっていた。

これは、ある哲学者の庭園に関する言葉。
「物言うと我に向かって返事する」

庭園は自分を映す鏡なのかもしれない。

2008年11月12日水曜日

踊る理由

「元気ないですね」
髪を切ってるシカオちゃんに言われた。
「そんなことないですよ」と私。
微笑んで見せたけど、本当は沈んでいた。

髪を更に短くしたいと希望を伝えると、シカオちゃんは、
「バレエのとき大丈夫ですか」と心配した。
ここしばらく休んでいることを打ち明けると、どうしたのか尋ねられた。

「わからなくなってしまったんです。
なんでバレエを習っているのか。
それで、少し距離を置こうと思って」
















シカオちゃんに髪を切ってもらいながら、バレエを習っている理由を考えていた。
でも、髪が仕上がるまでに、
バレエを習っている理由を見つけることはできなかった。
1時間半では、10年を分析するには短いのだ。

「離れたら見えてくることもあるかもしれませんね」
シカオちゃんが静かに言った。