私にとって大倉陶園の食器は憧れで、20代のころ欲しくて堪らなかった。
でも、手が出なかった。
代わりに、デパートでもらったパンフレットを眺めては、いつか手にすることを夢見ていた。
その後ウエッジウッドやマイセンなどの洋陶器は買ったが、大倉陶園だけは買わなかった。
値段はマイセンと変わらない。
その気になれば買える値段である。
それでも買わなかったのは、まだ私には大倉陶園の食器を持つ品格が伴っていないような気がしたからだ。
今日は、オーナーが特別に、お店にある大倉陶園のカップにコーヒーを容れてくれた。
絵柄の美しさだけでなく、口当たりの良さも、素晴らしかった。
まだ未熟者ではあるけど、何かひとつ手に入れてもいいような気持ちになった。
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