職場へは毎朝バスで通っている。
我が家は、私が小学生のときに尾道市中心部から郊外の住宅地へと引っ越した。
車を一人1台所有するのが普通になり、バスの利用者が減った今、我が家近くから尾道市中心部へ向かうバスは、朝の通勤時間帯でも1時間に1本しかない。
始業時間に間に合う便は1本しかなく(つまり始発)、職場のすぐそばのバス停に着いてからも、始業時間まで30分も余裕がある。
せっかく時間があるので、バス停から坂道を1分ほど歩いて祖父の墓参りをしている。
そして、祖父の墓のあるお寺に隣接する神社にお参りし、出勤する。
毎朝同じ時間に同じ場所を通るので、当然ながら同じ人達とすれ違う。
その誰もが、顔を見て、きちんと挨拶をしてくれる。
おじいさんもおばさんも高校生も幼稚園児も。
郊外の住宅地に住み、防犯のため見ず知らずの人とは口をきかないことが常識となっている私には、それは驚くべき習慣だった。
初日は戸惑って、咄嗟に声が出なかったくらいだ。
四日たった今は、もう慣れたもので、私のほうから挨拶をすることさえある。
祖父の墓参りと神社参拝、そして坂道ですれ違う人達と交わす挨拶。
これが今の私の日課である。
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