2012年11月5日月曜日

祖父と母

3日土曜日は、母とベッチャー祭に行きました。


NHK朝ドラ「てっぱん」でも紹介された尾道の祭です。


私の母方の祖父は生前、ベッチャー祭の三体の鬼神のうちの「ベタ」をしていました。


今は叔父が氏子として祭に参加しています。


母の実家の家庭環境は複雑で、母はずっと祖父母のことを憎んでいました。


祖父が亡くなって20年以上たっても変わりませんでした。


しかし、私が祖父の家や墓のある寺の近くの会社に再就職したことがきっかけで、
長年疎遠になっていた叔父と母は再び交流するようになりました。


そして、少しずつ祖父母のことを許せるようになってきたようです。


2日金曜日には、母は一人でベッチャー祭が行われる一宮神社へ行きました。


社務所で叔父を見付け、所内に飾られた写真を一緒に眺めたそうです。


しかし、写真は最近のものばかりだったらしく、母は叔父に
「お父さんの写真はないの?」と尋ねたそうです。



私は、母が祖父のことを「お父さん」と言うのを初めて聞きました。


母と祖父が直接会話するのを見たことがないので、
いつも私と同様に「おじいちゃん」と言うのしか、聞いたことがありませんでした。


母が祖父母の話題を避けているのは、私も子供心にわかりましたから、
敢えてこれまで祖父母のことを口にはしませんでした。


なんとなくですが、母は、祖父が私を通じて叔父と引き合わせたと感じている気がします。


ベッチャー祭にも、私が今の会社に入った昨年から母は行き始めました。


それまでは、祖父と密接な関係があるせいか行こうとしませんでした。


一昨日も、ベッチャー祭に行こうと行ったのは母でした。


朝9時、イオンに着くと、ちょうど獅子と鬼神たちが暴れているところでした。


タイミングの良さに、母は、やはり祖父が引き合わせたと感じたようでした。


見物客はすごい人数でしたが、母はすぐに叔父の姿を見付けて近寄りました。


会話している二人を見て、私はふと神輿の前で写真を撮ったらいいのにと思いました。


提案すると、二人とも喜んで神輿の前へ並びました。


撮影すると、二人で私のところへ来て画像をチェックし、
念の為もう一枚撮るように言い、結局二枚撮りました。


写真撮影した直後、ベッチャー祭の一同は移動することになり、
もちろん叔父も移動するので、これまたジャストタイミングでした。


帰り道、母は、
そういえば叔父と二人で写真を撮ったことなどなかった気がする、
と言っていました。


やはり祖父が機会を与えてくれたのかもしれないと、母は思ったようでした。

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