2009年7月26日日曜日

求婚の行方

プロポーズされた。
男友達とフランス料理を食べていたら、相手が突然居住まいをただし、さほど広くない店内の全員に聞こえるような声で「僕と結婚してください!」と。





絶対に断れないようなこの演出。
その姑息さにカチンときた。


フンッ 物事に「絶対」はないんだよっ。



一呼吸置いて、私は冷静に答えた。
「なんで? 結婚の必要性がある?」


「君と僕とは、結婚する運命だ。出会った瞬間、そう思った」


寝坊てんのか? 寝言は寝て言え!


「運命? あなたがそんな中学生みたいなこと考えてると思わなかった」
「恋愛に年齢は関係ないよ、結婚しよう!」


だから! そうやって周りに聞こえるように言ったって、無駄なんだよ!


「恋愛と結婚は違う」
皿の肉から目を離さずに私は告げた。


これ以上、この話題を続けると、せっかくの料理がまずくなる。
いや、現時点で充分まずくなっている。


「結婚は恋愛からはじまる」
石田純一ばりに悦に入っている。石田純一に失礼か!


「そんなに結婚したけりゃ、飲み屋街にでも行けば? いくらでも結婚したい女がいると思うけど」


「君と、結婚したいんだよ!」


完全にアタマにきた。
てゆーか、嫌味に気付けよな。


私はナイフとフォークを置き、相手の目を見据えて言った。
「いったい私の何を知ってるの? 調子に乗るな」


そして、相手が口を開く前に畳み掛けた。
「これ以上この話はしたくない。せっかくの料理が台なしだわ」
そう言って、店員さんを呼び、グラスワインを頼んだ。


相手は、悔し紛れか、こう言った。
「ここの支払いは別々だからな」


私は笑顔で答えた。
「もちろん」


頃合いを見て、店員さんがグラスワインを持ってきた。
冷めた肉をワインで流し込み、やっと一息ついた。


「君は結婚したくないのか」
相手が蒸し返した。


幾分おちつきを取り戻した私は、チャンスを与えた。
「結婚というシステムがね、私には。。まぁ、システムの違いよ」


ここで「システムなんてどうでもいいよ!」と気の利いたことを言えば、まだ望みはあったかもしれない。
いや、なかったか。今となってはわからん。


しかし相手の口から出たのは、
「君は結婚のシステムエンジニアになれるよ」


カッコつけたつもりか?
意味わからんし。。


『ノルウェイの森』で、「システムなんてどうでもいい」と叫んだ初美さんは、数年後に自ら命を絶った。


間の抜けた返答をしたその男は数カ月後、結婚詐欺で捕まった。


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と、まぁ、こんな夢を見た。 (すみません、夢です)
結婚詐欺に遭ったというよりも、別れ話って感じ?
しかも、私の可愛いげのないこと!


ちなみに、夢占いによると、自分が誠意のない態度を取る夢は、誘惑の手が忍び寄っていることを警告しているのだそうです。
くわばらくわばら。

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