2010年1月4日月曜日

初詣(余談長文)

初詣に行ってきました。
尾道人の定番、千光寺です。
いつもより若干人が多かったでしょうか。


三枚目の写真を撮ったとき、見知らぬジジイがビデオで私を撮影していた。
「いい写真が撮れた?」と言って、私のケータイの画面を覗こうとする。
すかさず保存ボタンを押し、画面を保存処理中にした。
ジジイは「あぁ」と残念そうに呟き、話題を変えた。


「この鐘は普通と違うとこが三つあるんじゃけど知っとる?」
無視していると「ほら、ここに書いてある」と横に来て言う。
そして、「普通は鐘の上部に『乳』ゆう突起があるんじゃけど、この鐘にはないんよ。この『乳』ね」と言って、ジジイは私の胸を指差した。


キレるまではいかないが、私はかなりムカついた。
たぶん露骨に顔に出ていたはずだ。
ジジイの言うことは無視して私は言った。


「私、地元の人間なんで(解説は不要だ)」
ジジイは驚いた。
「あ、あ、そう。じゃあ説明せんでも、よう知っとるよね。地元の人に、説明してもいけんかったね」
そう言ってジジイのほうから離れて行った。


私が鐘撞き堂に入ったとき、大学生くらいの女の子二人が、そのジジイに捕まっていた。
ジジイが私に興味を持った隙にスーッと出て行った。


ジジイは鐘撞き堂へ来る若い女の子(私はたいがい二十代半ばに見られる)に声をかけ、鐘の謂われを説明しながら勝手にビデオ撮影しているのだろう。
場合によっては、観光案内などしているのかもしれない。
観光した後のことは、よーわからんが。。


とにかく、あんなジジイが尾道にいることが許せない!
実際、私は「千光寺なんて行くんじゃなかった」と思った。
ジジイに声をかけられた女の子のほとんどはそう思うんじゃないか。
それが尾道の思い出になってしまったら、どうしてくれる!
「尾道=嫌な思い出」みたいな。


私は尾道が好きだ。
いかにも尾道という場所(千光寺の下の辺り)に生まれ育って、私は幸せ者で運がいいと思っている。

それなのに!
なんだか大切に守り続けた何かを汚された気分だ。


怒りに震えながら山を降りたら、ジジイが勝手に撮った私の映像を削除させるのを忘れたことに気付いた。
しかし、また坂を上るのも面倒臭い。
暗かったからまともに映ってないかもしれないし、自分で楽しむ以外には使わないだろうと理由を付けて、引き返さないことにした。


これが多分ジジイが麓に近い寺でなく、山頂にある千光寺にいる要因かもしれない。
そこまで考えてるか?
考えてるかもな。


ジジイのしたことは、これといった罪にならない。
勝手に女の子を撮影したのだって、セクハラまがいの説明だって、もっともらしい言い訳のできそうな行為だ。
それに観光客なら、わざわざ旅先で会った不愉快なジジイのことなんて、いちいち訴えたりはしない。
だから、私が地元の人間だと言ったとき、あんなにうろたえたんだ。


こんな分析したって仕方がない。
一日も早くあのジジイが尾道から(できれば、この世から)いなくなることを望む!

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