「月が綺麗ですね」
小説家・夏目漱石が英語教師をしていたとき、生徒が " I love you " の一文を「我君を愛す」と訳したのを聞き、「日本人はそんなことを言わない。月が綺麗ですね、とでもしておきなさい」と言ったとされる逸話から。
遠回しな告白の言葉として使われる。
小説家の二葉亭四迷はロシア文学を翻訳した際、腕にキスして抱き寄せるというロマンチックなアプローチに対して女性が " Ваша… " =「yours(あなたに委ねます)」と囁いたシーンを「死んでもいいわ」と訳しており、しばしばこの「月が綺麗ですね」への返答として「死んでもいいわ」はセットで使われることが多い。
ネットで紹介されていた返答例で気に入ったもの。
「そうね、灯りを消しましょうか」
「なんだか、夜更かししたくなりますね」
「あなたのように凛とした美しい月です」
「月をみるとあなたの横顔を思い出します」
高等テクとして。
「百年目に咲く百合の花みたい」
漱石の「夢十夜」が元ネタ。
死ぬ間際の女に「百年待っていてくれ」と男は頼まれる。
そのうちに女に騙されたのではないかと疑い始める。
そんな男の前に、一輪の真っ白な百合が伸びてくる。
いつの間にか百年が過ぎていた、 という話から。
個人的には、最後のが好きですが、できれば『百年目に咲く』という説明がないほうが粋かなと思います。
そんなわけで、私だったらこう答えたい。
「白百合のようね」
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