七夕の神事は、ほとんどが7月7日午前1時に行われるらしい。
この7月7日午前1時のことを「夜明けの晩」と言うそうだ。
「夜明けの晩」
そう、「かごめかごめ」の歌詞に出てくる謎の時間である。
「かごめかごめ」
かごめかごめ
籠の中の鳥はいついつ出やる
夜明けの晩に
鶴と亀がすべった
後ろの正面、誰
ということは「かごめかごめ」は七夕の歌なのか?
そう思って読んでみると、籠の中の鳥は、天の川を架けるカササギを指すように思える。
織姫か彦星のどちらかが問う。
「籠め、籠め。
籠の中の鳥はいつ出るの?」
「夜明けの晩に」
また、籠の中の鳥は、離れた家に閉じ込められ「籠の鳥」にされている織姫と彦星のことも示唆しているかもしれない。
ここまでは順調に辻褄があったのだが、問題は後半である。
鶴と亀、後ろの正面が、七夕に結び付かない。
そこで「かごめかごめ」について調べてみると、後半部分ができたのは明治以降らしい。
元々の歌詞は違っていて、文献に登場する一番古い歌詞の後半はこうである。
つるつるつっぺった
鍋の鍋の底抜け
底抜いてたもれ
これが茨城県発祥の歌かどうかわからないが、
茨城県の方言で「つっぺる」とは「川などに落ちたりはまる」ことらしい。
深い夜は「夜の底」と表現されることから、底を鍋の底と見立てて「鍋の底を抜く=夜が明ける」ことを表しているのではないか。
「底抜いてたもれ」は「底を抜いてください」の意で、万物を司どる天帝、自分たちを引き離した天帝に対して「夜を明けてください」と頼んでいるのではないか。
つまり、後半の歌詞の意味はこうではないだろうか。
「天の川にはまってしまった
夜よ、明けてくれ
(天帝よ)夜を明けてくれ」
天の川に溺れて死ぬよりは、一年に一度でも会えるほうがいいということか。
ちなみに「かごめかごめ」の歌が書かれた最古の文献は、浅草の修行僧が書いた「竹堂随筆」である。
それから、別の童謡にこういうのがある。
「鍋、鍋、底抜け。底が抜けたら帰ろ」
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