2008年7月13日日曜日

ビストロ ココット

ブッフェ式のサラダ

牛肉の赤ワイン煮込み

コーヒーとアップルパイ

沼隈の道の駅へ行った帰り、ちょうど昼時だったので、

以前から気になっていたレストランへ入った。


民家を改装した店で、50才代とおぼしき女性が一人で切り盛りしていた。

定番でオススメだという牛肉の赤ワイン煮込みを頼んだ。


注文を受けた彼女は、店内に流れるショパンの子犬のワルツに合わせて

ハミングしながら料理に取り掛かった。

彼女はきっとおおざっぱな性格に違いない。
店の駐車場に着いた私を出迎えたのは、縁側で黒いタイツ姿で伸びをする

彼女だった。
そして、恥ずかしがる風もなく「今日は暑いわねぇ」と、笑顔で話し掛けてきた。


いま掃除が終わったばかりだと言っていたが、

椅子の座面にはパンくずがいくつも落ちていた。
盆に乗せてきたナイフとフォークとスプーンと箸を4本まとめてわしづかみにし、

テーブルの端にガシャと乱暴に置いて、そして並べた。

決して機嫌が悪いわけでもなんでもない、それが彼女の常らしかった。


そのおおざっぱさは、そのほかの部分にも現れていて、

食器類は、よく見ると水滴の乾いた跡が残っていた。
コーヒーはカップの縁に垂れていて、

持ち上げるとソーサーに黒い輪ができていた。
料理やケーキに添えたブロッコリーやミントの葉は、ひっくり返っていた。


しかし、味はよかった。
本当に美味しかった。


店内(というより室内)は暖炉があって、山小屋風なので、

料理上手なおばあちゃんちに遊びに来た気分だった。
他にお客さんはいなくて、彼女は料理を出すだけ出したら奥へ引っ込んだ。

静かに流れるショパンを聴きながら、のんびり手料理をいただいた。
とても幸せなひとときだった。

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