福山市木之庄町に出来た複合商業ビルのオープンハウスに行きました。
ビルといっても2階建てです。
2階建てといっても天井がめちゃ高くて、全高は4階建て分くらいあります。
「森の中で診察したい」という歯医者さんの意向で実現したそうです。
その歯医者さんと、このビルを設計した建築家さんと、
診療所内に設けられた庭園を手がけた庭師さんは同級生なのです。
その庭師さんと私は、ちょっとだけ知り合いで、このオープンハウスのお話をいただきました。
建築家さんは、UID一級建築士事務所の代表を務める前田圭介さんで、
国際的な建築賞をたくさん受賞されている方です。
私は子供のころ体が弱く、しょっちゅう病院へ行きました。
病院の診察室には掃き出し窓がありました。
ベッドにうつぶせに寝て顔を上げると、視線の先に窓があり、窓の向こうには植え込みがありました。
中庭というほどのものではなく、あくまでも植え込みです。
小さな赤い実のなる木と細長い葉っぱの花がありました。
季節によって、花が咲いていたり、赤い実や葉っぱが落ちていたりして、
植え込みを眺めていると気分が落ちつき、怖いはずの注射も平気になりました。
上記の歯医者さんの治療室には、壁に大小さまざまな窓があります。
大人でも嫌がるあの治療椅子から窓を通して、木の枝や葉っぱ下草や空が見えるようになっています。
色んな窓から色んな物が見えます。
意識がそちらへ働いて、不安や恐怖も和らぐのではないでしょうか。
待合室も工夫がされていました。
掘ごたつ風になっていて、周囲は畳、他は板張りで床暖房です。
壁や天井は、通常下地に使う木の板が剥き出しになっています。
木に囲まれた四角い部屋です。
奥に作られた洗面所とトイレの曲線が、柔らかみとアクセントを与えています。
「森の歯医者さん」という名前がぴったりの、癒やしの空間です。