2017年9月26日火曜日

心機一転

今日はタクミンの誕生日だが、何もするつもりも何を言うつもりもない。

昨日のことだ。

仕事をしていると、隣の部署の女の子がやってきた。

二言三言交わしたところでタクミンがきて彼女に話しかけた。

クライマックスシリーズのチケット予約した?
とかなんとか。

そこから二人で、どこで申し込んだとか申し込み方法などについて楽しそうに話し始めた。

当然タクミンは私の気持ちを知っている。

彼女も私の気持ちに気付いている。
なんせ、わざわざ探りを入れてくるくらいだ。

それでいて二人して私の目の前で和気藹々とした姿を見せる。

バカにしてるのか!
そうして二人で私を笑い者にしてるのか?
私が一体あなたたちに何をした?

私は昨年、CSのチケットをヤフオクで5万円で落札して、タクミンを誘って断られた。

隣の部署のその子は、前任のセクハラ部長との不倫を告白されたが、誰にも話していない。

そもそも彼女は、見た目やイメージに反して男癖が悪い。
前任部長と不倫していながら、友達以上恋人未満という年下の男性がいて、なおかつ婚カツパーティーで二人の年上男性と知り合い、デートしている。

それでもなお私が気があるとわかっている男にちょっかいを出す。
今年度に入って、彼女とタクミンが親しげに話す姿がやたら増えた気がする。
不倫相手の部長が異動になって、代わりの男にタクミンを選んだか?

二人がCSのチケットの話で盛り上がり出したので、私は二人に背を向けて、元の仕事に戻った。
黙々と仕事をする私の真後ろで、二人はしばらく談笑した。

何にしても、どちらも、もうどうでもいい。
なんか、私の中で何かがぷっつり切れた気がする。
吹っ切れるのとは違うけど、もうどうでもいい。

タクミンも、いい加減にしてほしい。
もうしんどい。

彼女とのイチャイチャの前にタクミンが話しかけてきた。
来月異動してくる課長がイケメンだと。
私は興味ないと答えたが、タクミンは結構しつこく食い下がった。
「見た目より能力だ」と答えると、仕事もできる頭のキレる人だとか。
お客様が来なかったら、まだしばらく続いていたかもしれない。

要するに、そのときの私に対する報復なのだ。
じゃあ、どうすればよかったんだ。
私はちゃんと否定したぞ。
つまらないことでいちいち報復されたんじゃ堪らない。

付き合ってなくてもこれである。

もし付き合ったら、つまり、ヤキモチを妬く大義名分と、私はタクミンの所有であるという公認を得たら、その報復たるや今の比ではなかろう。

タクミンは、幼少期に親の愛情を得られなかった、一種のアダルトチルドレンである。
愛情を確かめるため、ヤキモチを妬かせたり、会話に割り込んだりする。

それを理解して、広い心で、無償の愛で、受け止めようとしたけれども、もう無理。
肉親でない以上、無償の愛など存在しないのだ。
無償の愛などと言いながら、どこかで愛を返してほしいと願っている。
愛してくれることを期待している。

愛してほしいから愛す。
つまり、打算だ。

それでも私は十分尽くした、愛した。
もういいだろう。

もう十分だ。
よく頑張った。

この1年6ヶ月を無駄にはするまい。
必要な無駄であったと言えるよう心機一転、生きていこう。

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